← Back to Daily Notes

白ご飯は、おいしい

「白ご飯は、おいしい」そう思っている。異論もない。ただ、もしそれを大声で得意気に言われたら、

「白ご飯は、おいしい」
そう思っている。異論もない。
ただ、もしそれを大声で得意気に言われたら、
急にうるさく感じるだろう。
ご飯には、何の罪もないのに。

たぶん、そこから聞こえてくるのが、
ご飯のおいしさより、
「それを言っている私」だからだ。
さらに、
「こういうことは、ちゃんと伝えていかなきゃ!」
と続くと、かなり困る。
少なくとも、この食卓では、
誰も反対していない。
それなのに、
何かと戦っているような顔をされると、
こちらは箸の置き場に迷ってしまう。

当たり前のことを言うのが、
悪いわけではない。
「おいしいね」
「ほんとだね」
それだけで、うれしい食卓もある。
ただ、同じ言葉でも、
隣の人と分け合うときと、
自分を立派に見せるときでは、
ずいぶん響きが違うのだと思う。

と、ここまで書いて、気づく。
「当たり前のことを、得意気に言うな」
これも、わりと当たり前のことである。
いったん、箸を持とう。
今日も誰かが、
お米を育て、ご飯を炊いてくれた。
ひと口食べる。
おいしいね、と、
今度は小さな声で言う。