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十年先の夢で、今日を動かす

イーロン・マスクのすごいところは、十年先の夢を見せて、今日のお金を集めてしまうところだと思う。

イーロン・マスクのすごいところは、
十年先の夢を見せて、
今日のお金を集めてしまうところだと思う。
こう書くと、だいぶ怪しい。
でも、株価とはもともと、
未来への期待にも値段をつけるものだ。
「今、これだけ儲かっています」
だけではなく、
「この先、こんな世界をつくります」。
まだ来ていない未来に、
今日の財布が開く。
そもそも投資とはそういうもの。

ただ、大きなことを言うだけなら、
居酒屋にも人材は豊富にいる。
すごいのは、その夢の組み立て方だ。
電気自動車。
エネルギー。
AI。
ロボット。
宇宙。
別々に見える話を、
一つの未来の景色としてつなげて見せる。
すると、
「そんなこと、できるわけがない」が、
「そうなるなら、今これが必要なのか」
に変わる。
夢に、順番が生まれる。

そこへ、お金が集まる。
人が集まる。
工場ができる。
開発が進む。
実現したから、お金が集まる。
それもある。
でも、その順番だけではない。
実現すると思わせることで、
実現するためのお金を集める。
夢を見せること自体が、
すでに実現の工程に入っているのだ。
もちろん、語った未来が、
全部予定どおりに届くわけではない。
それでも、本当に動くものにしてしまう。
ロケットは、本当に戻ってきて、立った。
車は宙を舞って、着地した。
だから、次の夢にも説得力が生まれる。

「夢みたいなことを言うな」
という言葉がある。
でも、まだ存在しないものは、
最初は全部、夢みたいな話だったはずだ。
大切なのは、
夢を語るか、現実を見るか、ではなく、
その間に何を積み上げるかだと思う。
壮大な夢の続きが、
翌朝の具体的な仕事になっている。
そこまで来ると、
居酒屋の話も侮れない。
お会計のあとが、本番なのだ。